(書評)『ものがたり洋菓子店 月と私(2)』糖花の成長に注目!優しい癒しを求める大人に読んでほしい物語

小説紹介
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※本作が気になっている方は、ぜひ前作『ひとさじの魔法』を読んでから手に取ってみてください。

甘くて優しいスイーツの物語に続編が登場!
『ものがたり洋菓子店 月と私 ~ふたつの奇跡~』

  • わたしの趣味に合っているかな?
  • 興味があるけど買って後悔しないかな?
  • 読み始める前に少し詳細を知りたい。

そんな疑問に答えるため、サラリーマン読書家の私が書評をまとめてみました。

ネタバレしない範囲でまとめているので安心してください。

この本をひとことで表すと…
・前作(ひとさじの魔法)を気に入った人は更に満足することまちがいなし!
・忙しい日々に癒しを求めるすべての人へ、心まで甘くなるスイーツの物語

読んでみようかな…なんて悩んでいる人はぜひご参考に!

要するにどんなお話?

読むだけでケーキ屋さんに駆け込みたくなる!

素敵なスイーツが織りなす、甘くて優しい奇跡の物語が波乱の展開を伴ってパワーアップ!

不思議な魅力を持ったケーキ屋さんを舞台に、前作よりも濃くなったキャラクターたちが大活躍します!

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あらすじ(ネタバレなし)

東京の住宅街にひっそりと佇む洋菓子店「月と私」は、ストーリーテラーがお菓子にまつわる素敵なエピソードを披露してくれる隠れた名店。

今日も内気で引っ込み思案なシェフ・糖花と、イケメンストーリーテラーの語部が、お客様の「負」の感情を優しく溶かすスイーツでもてなしてくれる。

前作からおなじみのメンバーに加えて、有名パティシエの従兄にあこがれる少年・郁斗や引退したソムリエの綾上、クラスメートのストーカーになってしまった小毬など多くの人物が、甘くて美味しいお菓子に惹かれて「月と私」に集まってくる。

ところが人気店の階段を着実に歩むなか、クリスマス商戦を前に語部が突如高熱を出したまま行方知れずになり…。

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厳選3ポイント!『ものがたり洋菓子店 月と私(2)』はここがいい!

ここからは、私が『ものがたり洋菓子店 月と私(2)』を読んで感じたこの本はここがいい!ポイントを「3選」紹介していきます!

①多くの人物がつながる展開が読者を引き込む

1話完結でも面白い!つなげて読むともっと面白い!

別々の短編に登場していた人物たちが「月と私」のケーキをとおして徐々に繋がっていく…そんな世界観が広がる展開は読者を引き込みます。

例えば、爽馬の母親・ふみえさんとか、ソムリエの綾上さんとか。

スイーツ偏重だけでなく、お菓子によって明るくなった人間関係にも焦点を当てているから読んでいて飽きませんね!

②きっと応援したくなる!?糖花の進化に注目!

前作では消極的な理由から焼き菓子ばかりを並べていた糖花が、新作ケーキのアイディアを自ら提案する。

そんな彼女のちょっとした”変化”にも安心感を感じる読者さんも多いはず。

さらに後半では、感情的になる客同士にたどたどしくも自ら仲裁に入ろうとしたり…

負のオーラ満載だった彼女が、少しずつでも誰かのためにできることをしようとする姿はきっと応援したくなるはず!

糖花の進化が楽しみで次作も読みたくなりますよ!

③ハラハラの展開、糖花と語部の関係はどうなってしまうの?

前作よりも少しづつ接近する語部と糖花。

糖花が理想の女性だからこそ、仕事のためにあえて突き放している…はずだった語部が徐々に糖花に心を開いていく様子が、じれったくも微笑ましい展開です。

「もう告白しちゃいなよ!」とむずかゆくなるような甘いシーンが盛りだくさん!

語部がパーフェクトヒューマンではなく意外と人間らしい”弱さ”を見せるようになったのも、糖花に少しづつ心を開くようになったからなのかな?

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とろすけの好きなシーンはここ(若干のネタバレを含みます)

新生「月と私」初めてのクリスマスイブのシーンは圧巻です。

「これってやばいんじゃ…」的な切迫感が少しずつ高まりながらクリスマスに突入する「月と私」のスタッフたち。

私も毎年何も考えずにケーキを買いに行っていたけれど、ケーキ屋さんからするとめちゃくちゃ忙しかったんだろうね…

語部がいないクリスマスイブに次々と押し寄せるお客さんたち。

戦場のような忙しさを、かつて月の力に救われた助っ人たちと必死に切り抜けようとする「月と私」。

今度こそもうだめか…と思ったときにお店に現れた意外な救世主とは?

それはそれは真っ暗な夜空から一筋の月の光が優しくも力強く注いできたような瞬間でした。
糖花さん、麦ちゃん、郁斗くん…よかったね(泣)

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読後評:とろすけの感想

1巻が終わるとすぐ2巻が読みたくなって、2巻が終わるとすぐに3巻を買いたくなる。

読書に穏やかな癒し体験を求めるすべての人におすすめしたい名作です。

それにしても最後に起こった「辻村深月的どんでん返し」は何でしょうかね?

ぜひ読んで確かめてみてほしいですが…
「えっ、そっち!?」的なトラップが仕込んであります。

辻村深月と野村美月。まさかの”ミズキさん”繋がりか…?

ぜひ読んでみてお確かめください!

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とろすけ

月に10冊以上の小説を読む読書家サラリーマン。

本業は製造業のITエンジニア。

好きな作家は辻村深月と恩田陸。

おすすめは
『かがみの孤城』
『琥珀の夏』
『蜜蜂と遠雷』
『君の膵臓をたべたい』など。

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