大泉洋主演のTVドラマにもなった『ノーサイド・ゲーム』。
- わたしの趣味に合っているかな?
- 興味があるけど買って後悔しないかな?
- 読み始める前に少し詳細を知りたい。
そんなギモンに答えるため、月に10冊以上小説を読むわたしが『ノーサイド・ゲーム』の書評をまとめます。

ネタバレしない範囲でまとめるので安心してください。
この小説をひとことで表すと、
日曜日の夜に読みたい、月曜日のモチベーションが上がる熱血ビジネス小説!
読んでみようかな…なんて悩んでいる人はぜひご参考に!
要するにどんなお話?

再生せよ!弱小ラグビーチーム。
「明日から頑張ろう!」すべてのビジネスパーソンがそう思える”熱い”スポーツ小説です。
ラグビー初心者でも十分楽しめる内容ですが、リーグワンを見てからならばなお面白いですよ!
あらすじ(ネタバレなし)

大手自動車メーカー・トキワ自動車に勤める君嶋隼人は、専務が推し進める買収案件に反対したことが原因で横浜工場へ左遷されてしまう。
君嶋の新しい肩書は横浜工場の総務部長。
そして同時に同社ラグビー部・アストロズのゼネラルマネージャーも任される。
- 昨シーズンの成績は崖っぷち。
- 前監督は病気により退任。
- 本社ではラグビー部の廃部が画策され…。
ラグビー”ズブ素人”の君嶋に立ちふさがる難題、難題、また難題。
それでも君嶋、そしてアストロズのメンバーはそれぞれの人生と想いをかけて、難題に熱く、熱く立ち向かう。
厳選3ポイント!『ノーサイド・ゲーム』はここがいい!

ここからは、私(とろすけ)が『ノーサイド・ゲーム』を読んで感じたこの本はここがいい!ポイントを「3選」紹介していきます!
①ラグビー初心者も楽しめる丁寧な解説
ラグビーをテーマにした小説ですが、難しいルールや専門用語は登場しません。
YouTubeでたまにハイライト動画を見るだけの”にわか”ファンな私でも十分に理解できるのでご安心ください。
文庫本の冒頭には各ポジションの呼び名と配置が分かりやすく載っているので、分からないことがあれば都度見返してみましょう。
もちろん、ラグビー好きならもっとワクワクすること間違いなしです!
②情景をイメージさせるのが上手!
作者の池井戸潤さんは登場人物それぞれの心動かされるシーンの描写がとにかくリアルで、想像力を掻き立てられます。
それはファンの熱狂で埋まったスタジアムから、緊迫の会議室まで多種にわたります。

読み手の頭の中に”景色”を連想させる文章力は天才的!
とくにプラチナリーグ1年目の開幕戦、夕闇がせまったトキワスタジアムに徐々にお客さんが入ってくる様子は、イメージするだけで”涙モノ”ですよ!
③君嶋の視点から見えてくるリーダー論が深い。
小説ですが「リーダー論」を学ぶ一冊としてもおススメしたいです。
- 悩める部下や上司とどう接すればよいか?
- 覚悟をもって仕事をするとは何か?
- 苦しい立場に追い込まれたときに何をよりどころにするか?
ぜひ君嶋たちと一緒に考えましょう。
読み終わってから仕事に向かうとき、チャレンジ精神に満ち溢れて、胸をはりたい気分になりますよ。
とろすけの好きなシーンはここ(※若干のネタバレを含みます)

新生アストロズ2年目のプラチナリーグ最終戦。アストロズvsサイクロンズのラストワンプレーの瞬間は必見!
特に後半30分を過ぎてからの攻防は、文字を読んでいるだけなのに明確な”映像”として脳内にイメージされてきます。
まさしく魂と魂のぶつかり合い…。
まるで自分がスタジアムの観覧席で、レナや理彩と一緒に熱狂のただ中にいるような”臨場感”を体験できます。ぜひお楽しみください!
読後評:とろすけの感想
企業スポーツをテーマにした小説はたくさんありますが、このジャンルでは「ノーサイド・ゲーム」が間違いなく最高傑作だと思います。
同じように社会人野球部をテーマにした『ルーズヴェルト・ゲーム』も良いですが、私が好きなのはこっち。
高校生が純粋に部活に向き合うような”爽やかさ”が感じられるのが好きです。
ちなみに池井戸作品として有名な「半沢直樹」シリーズでは、TBSでドラマが放送されていた期間、放送翌日からサラリーマンが上司に攻撃的になったそう。
同じように「ノーサイド・ゲーム」を通じて、決してあきらめずに課題に向かっていくサラリーマンが増えればいいのになと思う次第です。
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