2018年の本屋大賞に輝いた『かがみの孤城』
- わたしの趣味に合っているかな?
- 興味があるけど買って後悔しないかな?
- 読み始める前に少し詳細を知りたい!
そんな疑問に応えるため、サラリーマン読書家の私が書評にまとめてみました。

ネタバレしない範囲でまとめているので安心してください。
この本をひとことで表すと、
・読書に本物の感動を求めるすべての人へ!
・辻村深月の魅力がすべて詰まったファンタジーの真骨頂!
読んでみようかな…なんて悩んでいる人はぜひご参考に!
要するにどんなお話?

稀代のヒットメーカー・辻村深月の圧倒的な表現力が織りなすファンタジー。

ページをめくる手が止まらなさ過ぎて、読み終わるまで食事も忘れるレベルの超・名作です!
あらすじ(ネタバレなし)

中学に入学してすぐ凄惨ないじめに会い、不登校になってしまった少女・安西こころ。
両親にもなかなか理解してもらえず、自分の部屋しか安全な居場所がない彼女は、いつもカーテンを閉めて引きこもっていた。
そんなある日、部屋にあった鏡が光りだし、吸い寄せられるように不思議な城に導かれる…。
そこにいたのは彼女と同じように事情を抱えて学校に通っていない6人の中学生と、皆が”オオカミさま”と呼ぶ顔を隠した少女。
”オオカミさま”が言うには、お城のどこかにあるという「願いの鍵」と「部屋」を見つけた1人だけは、どんな願いでも叶えられるらしい。
タイムリミットは来年の3月30日。
- この不思議なお城はいったい何モノ?
- なぜこの7人が選ばれたのか?
- 願いを叶えるのは誰なのか?
中学生という、大人でもなく子供でもない”境界線”のうえで誰もが感じた心の揺らぎ…
彼らが最後にたとりついた答えとは?
厳選3ポイント!『かがみの孤城』はここがいい!

ここからは、私が『かがみの孤城』を読んで感じたこの本はここがいい!ポイントを「3選」紹介していきます!
①登場人物の性格や心情描写の”深さ”はさすが!
辻村深月さんといえば、大人だろうと子供だろうと登場人物の心境を深く描写することに関しては指折りのヒットメーカー。
本作でもその深くて綿密な心情描写は健在!
中学生と言えば、まだまだ大人の助けが必要な子供に見られがちだけど、しっかり”自分”を認識している時期ですね。
大人でもなく子供でもない…。
その複雑な心情の描写は「とにかく深い」の一言です!
②後半の怒涛の展開!必殺・どんでん返しはここでもキレキレです!
上巻の最後に皆が学校に行くことを決めたあたりで「そろそろクライマックスが始まるのかな…」と勝手に思っていましたが、最高のクライマックスは本当の最後にありました。
あえて「 」だけで進むクライマックスシーン…

誰のセリフか一瞬分からなくなるくらいの混乱が、手に汗握る展開をよりリアルに際立たせます。
下巻は十分な時間を取ってから読み始めることをおススメします。
マジで止まらなくなりますから!
③伏線回収が鮮やかすぎてエグい!
じつはこの小説、読み進めていくうちに小さな「?」にたくさん出会うことになります。
随所で感じる小さな”ツッコみどころ”
例えばお城が閉まる期限が3月30日だったり、険悪なムードになっていた2人が急に仲良くなったり。
「ここちょっと変だけど、ファンタジー小説だし多少は仕方ないかな?」みたいな読者の勝手な”納得感”は、最終章で見事に吹き飛ばされます。

いままでいろんな小説を読んできましたが、伏線回収で「すごい」とか「うまい」ではなく「エグイ」と感じたのは初めての体験した。
とろすけの好きなシーンはここ(ネタバレなし)

最後のシーンは全部好きです。
ぜひ読んでみて体感してほしい。
鏡のお城がもうすぐ閉じてしまう3月29日。
「このまま終わるんだな」と皆が思っていたところに起こる怒涛すぎる展開。
ページをめくる手が止まらな過ぎて…
電車のなかで読んでいたら、本当に「これから」というシーンで駅についてしまって、そのままホームのベンチで読み切ってしまいました!
ハラハラの展開、からの…
・鮮やかな伏線回収と
・悩める中学生たちの新たな旅立ち。
小説として完璧じゃん!と思えた一冊でした。
読後評:とろすけの感想

この小説の書評を書けることを心から嬉しく思います。
とろすけの歴代No.1小説。
早く続きが読みたいのに、減っていく残りのページを気にしながら「あぁ、まだ終わらないでほしい!」と思えた小説は初めてでした。
2024年で21回目になる本屋大賞のなかで、歴代最高得点をたたき出したのがこの『かがみの孤城』でした。
2位作品に”ダブルスコア”の差をつけての選出!

まさに“圧倒的支持”ですね。
すべての世代におススメしたい!示唆と気づきに富んだ名作。
『かがみの孤城』おすすめです!
コメント