2013年の本屋大賞受賞作
『海賊と呼ばれた男』
- わたしの趣味に合っているかな?
- 興味があるけど買って後悔しないかな?
- 読み始める前に詳細を知りたい!
そんな疑問に答えるため、サラリーマン読書家の私が書評にまとめてみました。

ネタバレしない範囲でまとめているので安心してください。
この本を一言で表すと…
・立ち上げれ日本人!
・作者の魂のメッセージが詰まった一大ビジネスエンターテインメント!
読んでみようかな…なんて悩んでいる人はぜひご参考に!
要するにどんなお話?

日本人であることに胸を張れ!
- 何かに真剣に打ち込みたい。
- 挑戦することがカッコ悪いように思えてしまう(本当は失敗が怖いだけなのに…)
そんな時に力強く背筋を押してくれる一冊です。
主人公のモデルは年商6兆円の巨大企業を築き上げた実在の人物。

商人魂の神髄をどうぞ!
あらすじ(ネタバレなし)

戦前、北九州の小さな石油小売店として始まった国岡商店。
店主である国岡鐵造は社員と家族のように接し、自社の利益よりも消費者の利益を第一に考える異色の経営を貫いていた。
そんな国岡商店の周りはいつも敵だらけ…
国内では岩盤のような法規制や癒着に正面から対抗し、さらにはセブン・シスターズと呼ばれる海外の石油大手とのシェア争いを繰り広げながら激動の昭和を駆け抜ける。
敗戦ですべての資産を失っても、鐵造は日本の復興と国民の利益のために事業を決して諦めない。
そしてその熱意はついに世界を震撼させる”日章丸事件”を引き起こす。
出光興産の創業者・出光佐三をモデルにした、男の熱意と真実の物語。
厳選3ポイント!『海賊と呼ばれた男』はここがいい!

ここからは、私が『海賊と呼ばれた男』を読んで感じたこの本はここがいい!ポイントを「3選」紹介していきます!
①まさしくリーダー育成の教科書!
国岡商店のメンバーたちが要所で発揮する商人魂は、リーダーの気質そのもの!
鐵造の有言実行の姿勢や、不器用なほど信念を決して曲げない強さなどはマニュアルだけのリーダー論よりよっぽど説得力がありますよ!
昭和のビジネス論を令和の現代に持ち込むと、すぐ「パワハラ」なんて敬遠されてしまいますよね…?
確かに仕事のマナーは昔と随分変わりました。
ですがビジネスマンを奮い立たせる本質的な動機の部分はずっと一緒なのだと、鐵造たちの物語を通じて実感してください。
②海外と互角に渡り合う熱意!日本人であることを誇らしく思う展開
敗戦から6年で世界に乗り出し、誰も手出しができなかった大英帝国の裏をかく。
秘密裏にイランに乗り込んだ日昇丸事件のいきさつは痛快そのものですが、そこに至るための綿密な準備と「何があっても成し遂げる」という店員たち決意が誇らしい。

同じ日本人であることが嬉しくなる展開が満載ですよ。
全編を読み返す時間がないときでも、日昇丸事件以後のパートは何度でも読んでしまう。
世界と渡り合う男たちの雄姿に感動です!
③年をとっても情熱をもって生き続けたくなる人物像
国岡商店がまだ小さな頃の「兄貴分」的な鐵造も良いですが、年を取って大企業の責任者として威厳が備わった姿も「こんな経営者に出会えればいいな」と憧れる場面です。
サンパチ豪雪を受けての石油規制と戦った場面もお気に入り。
鐵造の決してあきらめない姿勢は、かつて門司の瀬戸内海を荒らしまわったときと同じ。

わたしも年を取ったときにこうありたいな、と思わせる素直さと純粋さが光っています!
とろすけの好きなシーンはここ(ネタバレなし)

もちろん日章丸事件!
と言いたいところですが、個人的に響いたのは昭和32(1957)年の徳山製油所完工の場面ですね。
鐵造以外の全員が「絶対に無理!」と思っていた10か月での製油所完成。
東雲の諦めない姿勢が多くの人を動かして、まさしく一丸となって奇跡を起こしたシーンだと思いま
す。
「できないことを言って失敗したらホレ見たことか!なんて笑われたら…」なんて尻込みしているときはこのエピソードを思い出して奮起するようにしています。
読後評:とろすけの感想

『永遠のゼロ』大ヒットを飛ばした百田尚樹の渾身の一作。
でしばしば右寄りの言動・行動が物議をかもす作者ですが、単なる「戦争礼賛」とは明確に一線を画した、ビジネスマンのバイブルだど思います。
実はとろすけ、新卒で営業部に配属されたのですが、そこの営業部長が「全営業マンが必ず読んでほしい一冊だ!」として配ったのがこの「海賊と呼ばれた男」でした。
どんなビジネスも最後は人としても魅力がモノを言う。
最前線に立つビジネスマンが必ずマネしたい背中が鐵造にはあります。
「寿ぐ」とか「雄飛する」とか、使ったことないけれどかっこいいなと思える日本語がたくさん使われているのも本作の魅力。
ぜひお楽しみあれ!
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