(感想)『君の膵臓をたべたい』タイトルで敬遠するのがもったいない!とろすけ的No.1の超・感涙小説!

小説紹介
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2017年本屋大賞で2位。
住野よるのデビュー作『君の膵臓をたべたい』

  • わたしの趣味に合っているかな?
  • 興味があるけど買って後悔しないかな?
  • 読み始める前に少し詳細を知りたい!

そんな疑問に答えるため、サラリーマン読書家のとろすけが書評にまとめてみました。

とろすけ
とろすけ

ネタバレしない範囲で描いていくので安心してください。

この本をひとことで表すと…

  • 毎日のモヤモヤ感に悩む人みんなに読んでほしい!
  • 明日が来ることがどれほど尊いか?をストレートに突き刺す一冊。

読んでみようかな…なんて悩んでいる人はぜひご参考に!

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要するにどんなお話?

死がすぐ隣にあるからこそ分かる、生きることの意味。

”誰もが1人ではない”
そんな暖かいメッセージを私たちに残してくれる物語です。

毎日に価値を見出せないにすべての人に読んでほしい名作ですよ!

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あらすじ(ネタバレなし)

劇場版アニメ『君の膵臓をたべたい』公式サイトより

周囲から距離を取り、いつも一人で読書にふけっている高校生の「僕」。

そんな名前のない僕はある日「共病文庫」と題された一冊の本を偶然見つけ、最初のページを読んでしまう。

それは膵臓の病気のため余命わずかなクラスメイト・山内桜良が誰にも見せない思いを密かに綴った闘病の記録だった。

「君は…本当に死ぬの?」
「そうだよ。死ぬよ」

名前のない「僕」と、病気により日常がなくなった「桜良」…

秘密を共有するようになった2人は、桜良の死ぬまでにやりたいことを1つずつかなえながら、生と死について真剣に向き合う。

今日と同じ明日が来るなんて誰が約束できるのだろう…?
分かっているつもりで曖昧にすませているテーマを、2人の視点をとおして私たちに強烈に突きさす一冊です。

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厳選3ポイント!『君の膵臓をたべたい』はここがいい!

ここからは、私が『君の膵臓をたべたい』を読んで感じたこの本はここがいい!ポイントを「3選」紹介していきます!

①明るい桜良が時々見せる迷いの部分が切ない…

桜良の性格はどこまでも奔放でつかみどころがない。

死を前にしても明るく振る舞う桜良のキャラクターに「もしも自分だったらここまで明るく努めることができるだろうか…?」と感服する読者も多いはず。

そんな彼女がたまに見せる”迷い”の部分が何とも切ないんです。

「どうして彼女じゃなければならなかったのか?」そんな強い衝動にかられます。

強くて明るい彼女にも、きっと死の存在を忘れて他の誰かと同じような日常を生きたい葛藤があったはず。そう思うと”やりきれなさ”がこみ上げてきます。

②「僕」の目線をとおした現実と非現実的の描写が深い◎

名前のない「僕」の前で起きているのは、本当の話なのにどこか非現実的な日常。

そりゃ、余命僅かなクラスメイトにあんなことされたら「これって本当なの?」と思いますよね。

その非現実的な世界が「僕」の目線で丁寧に描写されているのが本作の特徴です。

例えば「僕」が桜良と出かけることになった遠くの町。
地名や施設名、特産品に至るまですべてが「○○のようなモノ」とどこかフィルターがかかったような描写で描かれていいます。

誰もが「死」を遠い未来のことだと思っている外の世界と、死が現実のものである2人との”隔たり”が上手く表されている場面。

とろすけ
とろすけ

私たちの心にズシンとのしかかってきます。

③タイトルに秘められた伏線、ラストシーンの衝撃度は予想以上!

『君の膵臓をたべたい』

タイトルだけ見て「なんだかちょっとね…」と引いてしまう読者さんも多いでしょう。

私も最初は「膵臓をたべるなんて物騒でグロテスクなタイトルなんだろう」と思っていました。

ところが、すべてを読み終えてそのタイトルの意味が分かったときに抱いた印象は「物騒」とはまるで反対。

切なくて、儚くて、悲しい。

とろすけ
とろすけ

大切なものをを失ってしまったような大きな喪失感に打ちのめされるのに、なぜか「救われたい」気持ちでもう一度読み返してしまう…そんな不思議な一冊です。

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とろすけの好きなシーンはここ(ネタバレなし)

きみすいの聖地『ヒルトン福岡シーホーク』
ヒルトン公式ウェブサイトより

「僕」と桜良の小旅行シーンですね。

  • 桜良がちらっと見せた女のコらしさや
  • 死への恐怖や
  • 病気と闘う現実…

明るい彼女が両親やクラスメイトの前では見せていないだろういろんな内面を1晩のエピソードにギュッと詰め込んで色濃く描いたシーンだと思います。

そして「僕」と初めて挑んだ真実と挑戦ゲームで、彼女が知りたがった最後の真実。
きっと聞くのも相当の勇気が要ったはずだよね(涙)

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読後評:とろすけの感想

初めて読んで以来、ずっと私のなかでベスト3に残り続けている名作です。

あなたは死ぬまでにやりたいことってありますか?
本屋さんに行くと「死ぬまでに見たい世界の絶景」とか「死ぬまでに食べたい絶品料理」なんて本をよく見かけますね。
私もそんなタイトルを見ながら「いつか行ってみたいな」とか「いつか食べれたらいいな~」なんてありきたりな感想を持ちます。

『君の膵臓をたべたい』は、その”いつか”が当たり前にくると思っていることが、いかに思い上がりであるか?を容赦なく突きつけてきます。

生にも死にも必ず意味がある。すべては選択の結果。
そんな強烈なメッセージが身体のそこから魂を揺さぶる名作です。

あと余談ですが、作者の住野よるさんを勝手に女性だと思っていました(すみません)
何度か「きみすい」を小説コンクールに出したけど、まったくダメだったみたいですね…。

  • 諦めずに出してくれてありがとう
  • この物語と出会わせてくれてありがとう

そんな感謝にも似た気持ちが沸いてくる『君の膵臓をたべたい』

あなたもぜひ読んでみてください。

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とろすけ

月に10冊以上の小説を読む読書家サラリーマン。

本業は製造業のITエンジニア。

好きな作家は辻村深月と恩田陸。

おすすめは
『かがみの孤城』
『琥珀の夏』
『蜜蜂と遠雷』
『君の膵臓をたべたい』など。

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