2025年4月に劇場版が公開される
『おいしくて泣くとき』
- わたしの趣味に合っているかな?
- 興味があるけど買って後悔しないかな?
- 読み始める前に少し詳細を知りたい!
そんな疑問に答えるため、サラリーマン読書家のとろすけが書評にまとめてみました。

ネタバレしない範囲で描いていくので安心してください。
この本をひとことで表すと…
はじめて読んで泣き、読み返してまた泣いてしまう…。
心が洗われる読書体験がほしい方には必須の一冊!
読んでみようかな…なんて悩んでいる人はぜひご参考に!
要するにどんなお話?

15歳の男女が向き合ったつらい現実…。
切なさも悲しさも愛おしさも暖かさも、すべての感情をぎゅっと詰め込んだ感動作です!
最後に待っているささやかな奇跡にも注目!
何度でも読み返したくなる“本物の感動体験”をどうぞ!
あらすじ(ネタバレなし)

中学校3年生の1学期、膝の大ケガによりサッカー部を退部していた心也は「時間がありそう」という理由で教育委員会に出す学級新聞づくりを押しつけられる。
心也と同じように新聞担当にされたのは幼馴染の夕花(ゆうか)。
家庭に複雑な事情を抱える彼女は、心也の父親がボランティアで貧困家庭の子供に食事を提供している『こども食堂』の常連でもあった。
夕花は相方が心也であったことに安心しつつ、「ひま部」と名付けた2人の活動を家庭でのつらい日々を忘れられる時間として楽しんでいた。
そしてもう一人のキーパーソン、心也と同じ学年のヤンキー・石村。彼もまた隠れて『こども食堂』に通う1人だった。
あるとき、父親の依頼でおつかいに出た心也は、そこで『こども食堂』に向かう途中の石村と出会ってしまい…。
15歳という大人と子供の境目で、彼らはどんな道を歩むのか?つらく切ないと思っていたら最後は意外な展開!?
読者の心をジェットコースターのように上下させる話題作です!
厳選3ポイント!『おいしくて泣くとき』はここがいい!

ここからは、私が『おいしくて泣くとき』を読んで感じたこの本はここがいい!ポイントを「3選」紹介していきます!
①大人すぎる2人の15歳の葛藤が甘くて切ない!
幼いころに母親を亡くした心也と、義父からのDVに耐える夕花。
どちらも15歳の子供とは思えないくらい「自分を抑えること」を普通に覚えてしまっているのが印象的でした。
「本当はこうしたいのに…」をぐっと飲み込んで耐えて、それでも耐え切れずに苦しんでしまう…
義理の弟を守りながら必死に現状に耐えてきた夕花が限界を迎えた瞬間も、心也と心から安心できる1日を過ごすシーンも、読んでいて胸をえぐられるくらい切なくなるシーンです。
何とかこの2人いは幸せになってほしい!
そう思いながらすがるようにページが進む物語でした。
②ラストシーンで明らかになる伏線…終わり方が鮮やかすぎてほっこり◎
物語の途中から挟まれる『レストランカフェ・ミナミ』のマスターとゆり子のストーリー。
これ心也や夕花の話と何か関係あるの?とずーっと思っていましたが、安心してください。
ちゃんと最後には2つのエピソードが繋がっていました。
最後の方でさらっと1行で明らかになる驚きの事実…。
「いや~、そういうことか!?」

無理やり感のない、自然な形で起こった奇跡に心温まること間違いなしですよ!
③男女の間に成立する”優しい友情”の物語に心洗われる
心也と夕花の関係って”親友以上恋人未満”って感じでしょうか。
その関係をどう表現して良いか分かないのですが、甘酸っぱくて優しくて、でもちょっぴり切ない不思議な関係が強く印象に残りました。
夕花にとって、心也(と父親の耕平)は数少ない安心できる相手。
一方で心也にしても、夕花に恋心を感じる場面はありつつも、冷静に一歩引いて世界を見ているような印象を受けます。
そんな心也が”自分の意志”で夕花を守ると決めるて動いたとき(これ以上書くとネタバレなの自重ですが…)2人の間にシンプルな愛情を飛び越えた深い関係性が育っていくように見えました。

読後の”いいもの見た感”はすごいですよ。
とろすけの好きなシーンはここ(ネタバレなし)

好きなシーンというか、強く印象に残っているシーンになりますが…
第四章「わたしのヒーロー」夕花パートのラストから、彼女が心のなかで祈ったせめてもの”お願い”が感動のピークになると思います。
…泣くしかないやんこんなの!!!
心也と夕花がそれぞれ電車のボックス席で座る位置も、行きと帰りで変わっているんだよね…!
そういう変化を見ても、2人が本当につながりあえた瞬間なのだと思います(感動)
読後評:とろすけの感想

「この本に出合えてよかった」と久しぶりに思った1冊でした。
実は、買うつもりじゃなかった1冊。
地元の本屋さんで小説を探しているとき、買うかどうか迷った挙句「また今度にしよう。」と一度は棚に戻してしまったんです…。
それでも別の小説を持ってレジに並んでいたとき、前に並んでいたお客さんが2人続けてこの本を買っているのを見て「そんなに人気なら自分も…」と慌てて買い足したのがこの本でした。
そんな”ついで”みたいに買った本が、ここまで自分のお気に入りになるとは…。

こんな経験ができるからこそ、本屋さん巡りはやめられませんね!
この本に出会えたことを素直に感謝したい。
そんな素敵な経験をあなたもぜひ味わってみてください。
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