2024年の本屋大賞受賞作に続編が登場!
『成瀬は信じた道をいく』
- わたしの趣味に合っているかな?
- 興味があるけど買って後悔しないかな?
- 読み始める前に少し詳細を知りたい。
そんな疑問に答えるため、サラリーマン読書家の私が書評にまとめてみました。

ネタバレしない範囲でまとめているので安心してください。
ひとことで言えば…
自分に胸をはって歩きたい全ての人に読んでほしい!最高に”映えてる”少女の物語
読んでみようかな…なんて悩んでいる人はぜひご参考に!
要するにどんなお話?

「笑い」も「あこがれ」もパワーアップ!
”らしさ”を持つことがどのくらいカッコいいか!?

成瀬を見ていると「今の自分でもいいんだ!」と元気が湧いてくるから不思議ですね!
あらすじ(ネタバレなし)

滋賀県大津市に住む成瀬あかりは京都大学を目指す秀才。さらに同級生の島崎みさきと漫才コンビ・ゼゼカラを結成し、夏祭りでは司会を勤め、地域の防犯パトロールもこなすスーパー女子高生。
今日も成瀬は、周囲の心配や懸念をよそに我が道を突き進む。
彼女の周りには前作『成瀬は天下を取りにいく』にも負けない個性豊かな面々が登場。
- ゼゼカラファンの小学生
- クレーマー気質を脱却したい主婦
- 家族の言うままに生きてきた大学生
たとえ環境が変わっても、成瀬は変わらない。
人々の”悩み”や”迷い”を吹き飛ばして、本当の自分でいることのカッコ良さを示す。
ところが大学1年生の大晦日、成瀬は「探さないでください」というメモを残して突如姿を消してしまい…。
厳選3ポイント!『成瀬は信じた道をいく』はここがいい!

ここからは、私が『成瀬は信じた道をいく』を読んで感じたこの本はここがいい!ポイントを「3選」紹介していきます!
①羨ましいくらいのマイペース!成瀬あかりがパワーアップして登場!
成瀬あかりふたたび!
同調圧力とか空気を読むとは無縁の圧倒的な個性が今回も際立っています!
誰だって、人と違う趣味があったり、嫉妬や不安を抱えているとついそれを隠したくなりますね?
そんなときも成瀬は「なにか恥ずかしいことなのか?」なんて平然と言ってのけそう。
自分を隠すことなんてない。
読書を通じて私もそんな成瀬に背中を押してもらいました。
②親友・島崎の目線から明らかになる成瀬像も◎
最終章「探さないでください」より。
行方の分からない成瀬を見つけるため、観光大使の相方・篠原がX(Twitter)やInstagramを駆使して彼女を探そうとするのに対して、島崎は「成瀬がやりそうなこと」を友人目線で推測しながら行先を探す。

島崎の思考を通じて「成瀬あかり」という人物像がより輝くように書かれています。
まぁ、篠原と島崎の予測は大ハズレするんですがww
③読みやすくて平易な文章。200ページの長作も90分であっさり。
宮島未奈さんの手で、大津市を舞台にした豊かで面白い日常が生き生きと描かれた本作。
架空の世界ではなく現実の街が舞台なので、日常の延長線上として親しめる小説です。
200ページもある長編ですが、読み終わるのに90分くらいの”あっさり”加減。
難しい表現や、最後にすべてが逆転するちゃぶ台返しもありませんので、安心して読むことができます。

ド正直でストレートな小説ですね。
とろすけの好きなシーンはここ(ネタバレなし)

最終章『探さないでください』の顛末には大いに笑わされました。
大みそかに「探さないでください」とメモだけ残して家を出た成瀬。
大して心配していなさそうな母・美貴子と、いてもたってもいられない父・慶彦の対比も面白いのですが(まさにこの2人があってこその成瀬あかりだとわかる)、周囲の予想をことごとく裏切る成瀬の居場所には驚きのひとことです。
成瀬よ…なぜそこに!?
成瀬捜索班の心配をよそにいたって平然としている”成瀬らしい”態度もなんだかカッコいい。
読みながらクスクス笑ってしまう自分がいました。
読後評:とろすけの感想
24年12月時点で文庫本は未発売なのでハードカバー版を購入。
見開きにイラストレーター・ざしきわらしさんのイラストが載っていますが、私はこの絵のタッチも好きです。
フレンドマートのエプロンを着て立っている成瀬。
こんな店員がフレンドマートにいたらぜひ会ってみたいですねww
あと、小説全体から伝わる「滋賀愛」が凄い!
作者の宮島未奈さんは実は静岡県出身(現在は大津市に居住)。

県外人でもハマってしまう滋賀の魅力ってすごいですよね。
小説の舞台が「たまたま大津市だった」ではなくて、大津市じゃないと成立しない最強のローカル小説だと思います!笑
ぜひ前作『成瀬は天下を取りにいく』とセットで読んでみてください!