(書評)『ものがたり洋菓子店 月と私(3)』 いい年した大人も胸キュン!?とにかく甘~い恋の物語。

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本作に興味がある方は、ぜひ前2作『ひとさじの魔法』『ふたつの奇跡』も読んでみてください!

糖花と語部の恋がついに前進!?
『ものがたり洋菓子店 月と私 ~さんどめの告白~』

  • わたしの趣味に合っているかな?
  • 興味があるけど買って後悔しないかな?
  • 読み始める前に詳細を知りたい!

そんな疑問に答えるため、サラリーマン読書家の私が書評にまとめてみました。

ネタバレしない範囲でまとめているので安心してください。

この本をひとことで表すと…
「月と私」の新たなステージへようこそ!語部と糖花の関係が気になって仕方がない人は必読の一冊!

読んでみようかな…なんて悩んでいる人はぜひご参考に!

要するにどんなお話?

スイーツのような”甘々レベル”がさらにパワーアップして登場!

ページをめくる手は止まらないのに、残りが少なくなると「終わらないでほしい」と少し寂しくなってしまう不思議な物語。

大人でも少年少女にかえったようなピュアな心で読める一冊です。

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あらすじ(ネタバレなし)

東京の住宅街にひっそりと佇む洋菓子店「月と私」は、ストーリーテラーがお菓子にまつわる素敵なエピソードを披露してくれる名店。

今日も内気で引っ込み思案なシェフ・糖花と、イケメンストーリーテラー・語部が、私たちの負の感情を優しく溶かすスイーツでもてなしてくれる。

バレンタインデーを控えた2月の上旬、「月と私」にやってきたのは語部の”元カノ”を自称する溌剌とした女性・夏名子。語部に恋心を抱く糖花は、自分とは真逆のキャラクターをもつ夏名子の登場に動揺し、お菓子作りに集中できない。

他にも糖花のケーキで前向きになれたOL・七子や、鈍感で暗黒ホイホイな爽馬に恋心を抱く麦、幼いころから語部を慕う医師の瀬戸…。

それぞれの想いがチョコレートソースのように混ざったとき、「月と私」に起こる甘い奇跡の物語。

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厳選3ポイント!『ものがたり洋菓子店 月と私(3)』はここがいい!

ここからは、私が『ものがたり洋菓子店 月と私(3)』を読んで感じたこの本はここがいい!ポイントを「3選」紹介していきます!

①スイーツよりずっ~と甘い!大人もハマる胸キュン展開!

どう見ても両想いなのに、なかなか「好き」と言わない糖花と語部…。

「もう、早くくっついちゃいなよ!」と30歳過ぎた私でもドキドキしてしまいます!

そんな恋愛小説ですが、ただ男女がベタベタするだけの不愉快感はまったくありません。

きちんと「2人とも良かったね」と言ってあげられる展開になっているのでご安心を。

②登場人物たちの”繋がり”より丁寧に!

短編を集めた1・2巻と比較して、3巻はバレンタインデーを中心にした長編モノのような構成になっているのが特徴だと思います。

1、2巻でうまく世界観やキャラクター設定をしてから、満を持して3巻に長編モノを持ってきた感じ。

ひとりひとりのバレンタインデーに焦点をあてながら、最後は糖花と語部の世界に引き込んでいく展開はさすがですよ!

あと作中に登場するチョコレートスイーツがどれも美味しそうで「あぁもう食べたい!」って食欲が止まりません!

③2人の男子高校生が癒しポイント◎

前向きにお菓子作りを楽しむ郁斗くんと、鈍感を通り越して天然の域に達している爽馬くん。

甘々のケーキに添えられたコーヒーのように、2人の描写が物語のちょっとした休憩ポイントのよう癒しをもたらします!

第1巻であれだけ憎まれキャラだった令二くんも、ちゃんといい働きをしてくれますよ(完全に脇役ポジションですがww)

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とろすけの好きなシーンはここ(若干のネタバレを含みます)

スーパー鈍感人・爽馬くんのホワイトデーに決まり!

第2巻あたりから「爽馬くんの辞書には”察する”って言葉なさそう」と思っていましたが、鈍感もここまで行くとスーパーサイヤ人レベルでは?

それにしてもホワイトデーのお返しに〇〇は怒られるよww

発想がぶっ飛びすぎて私は好きだけどねww

それでも、麦と小鞠のために自分でホワイトデーのお返しを選ぶのはえらい!
最後2人に渡したお菓子に込められた意味も深いし、あと令二くんナイスアシスト(笑)

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読後評:とろすけの感想

つい口元がほころんでしまうような甘いストーリーは本作でも健在

それにしても夏目漱石の「月」の話がここで出てくるとは思いませんでした。

…明治時代、英語の先生だった漱石は生徒が「I love you」を「私はあなたを愛しています。」と訳したときに、単純すぎる翻訳に激怒したそう――
そのときに、漱石がお手本として示した訳が「あなたといると月が綺麗ですね。」(笑)

いやいや、そんな翻訳ないでしょ!

と誰もがツッコみたくなる話ですが、「月と私」のお菓子に載って伝えられると、奥ゆかしくてロマンティックでいいなーと感じてしまうから不思議ですね。

ドラマ化されるならぜひ見てみたい!
「月と私」が生み出す優しい物語をぜひお楽しみください。

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とろすけ

月に10冊以上の小説を読む読書家サラリーマン。

本業は製造業のITエンジニア。

好きな作家は辻村深月と恩田陸。

おすすめは
『かがみの孤城』
『琥珀の夏』
『蜜蜂と遠雷』
『君の膵臓をたべたい』など。

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